イベントレポートに見る、男性向け同人と女性向け同人との違ひ

匿名ダイアリーが入ると途端に議論を追ふのが面倒になるので、自分なりにまとめてみた。増田の文章はほぼ全文転載になってゐる。


色々文化の違ひを感じて興味深く読んだ。要するにまとめると、

男性向け
サークル対一般がはっきり分かれてゐて、オープンに話が出来る。
女性向け
サークルと一般の境界が曖昧な上にコミュニティがクローズで濃いから、下手に物を言へない。

といふところか。うーん、女性向け同人界隈って怖いところだねぇ。

とはいへ、私も「俺これ買ったよ。うへへ!」って公開するのはよく分らなかったりする。某氏のやうに毎回他者を圧倒する程買ってたら面白いけど、「あそこのサークル頑張って買ったよ」ってのは、精々東方で言へば本家ぐらゐで、あとはだいたいどれだけ買ったのかを写真か文章で一枚一文あれば十分かと。

むしろ、私はその同人誌(音楽等も含む)の感想こそが聞きたいし、書きたい。

青臭いことを言ふが、基本的に同人誌は原作、或いはそのキャラへの愛情だと思ふ。とすれば、その本を読めば、矢張りなにがしら伝はってくるものがあるだろう。それは共感だったり、時に反発だったりする。表現とはさう言ふものだ。

そして、その心に響き渡ったものへの感想を書くこともまた、一つの表現であり、作品であると私は思ふ。反発はあまり見たくない*1が、共感であればそれで語らふ事も出来るし、「私はこの作品を見てかう思ったけど、他の人はどう思ってゐるのか」といふ、ある意味でサークルが持つものと同じ思ひを抱く。

……と、ここまで書いて気付いた。女性向けの中の人って「ところでみんなこれを見てくれ……こいつをどう思ふ?」ってのがないのかも知れない。同じ趣味の人とひっそり「ふふふ、これ良いね」ってやるのが楽しくて、別の価値観とかはどうでも良いのかも*2。それはそれで勿体ないと思ふけど、勿体ないと思ふこと自体が、もう文化の越えがたき溝なのかなあと思った。

私は、一つでも多くの作品を読みたい。東方は、幻想郷は、それが許された場所なのだから。


ちなみに、私の書くレポートは++@氏のいふところの「2+4番目」(行動記・イベント批評)に当たる*3ので、本件については余り関係ない。私が(少なくとも東方関係の)イベントレポを書く理由は、イベントについての情報・状況を整理し蓄積、或いは批評することで、後人のために役立てて欲しいから。サークルリストも配置図も全く同じ。そもそも、World Wide Webは本来さういふことをする場だと思ってゐる。

あるいは、かう言っても良いかも知れない。イベントにおいてスタッフ・サークル・一般参加者は対等であるが、それは立場が同じといふことではない。司法・行政・立法のように三者はそれぞれが独立して、それぞれが協力・牽制し合って、国やイベントといふシステムを支へてゐる。私はいち一般参加者として、それに協力してゐるに過ぎないのだ、と*4 *5

*1:もちろん、このカプよりこっちのカプの方が絶対好き! と作品に昇華できれば、それは素晴らしい事だ。

*2:といふか、カプ抗争とか見てると、むしろ異教徒といふか、もう邪教扱ひなのかな。

*3:本当は「1番目」(○○さんに会って云々)みたいなこともやってみたいのだけど、なかなかサークルさんとゆったりお話しする機会って作れないものだね。取り敢ず、今度感想を送ってみようとは思ふ。

*4:サークルの人は一般参加列のことは良く分らないだらうし、スタッフは書きたくても書けないことが多々ある。

*5:と、偉さうに言ってしまったが、結局自分が欲しかった情報を集めたので、折角だからと公開してゐるだけなんだけどね。