親子の絆は結界を超える

「おーい」
ふと呼び止められて振り向くと、そこには透き通るような金の髪に、まるで中世の魔女を思わせる黒と白の衣装を纏った少女が立っていた。まだあどけなさを残すその顔は、私にとってどこかで見覚えがあるようで、結局、思い至ることは叶わなかった。
「天狗が落としていったんだがな。なんかこっちに渡した方が良い気がした」

そうして受け取ったのは一枚の写真だった。私はそれを見た途端、驚いて手持ちの写真と見比べて顔を上げるが、既にそこにいたはずの少女の姿は跡形もなく消えていた――


列車を待つ父
列車を待つ娘

時を越えて、君を愛せるか。ほんとうに、君を守れるか?
空を見て考えてた。君のために今、何ができるか?

忘れないで、どんな時も。きっとそばにいるから。
そのために僕らは、この場所で、
同じ風に吹かれて、同じ時を生きてるんだ。

小田和正『たしかなこと』より)




と、いうことで、霖魔理でいつも切なくも心温まる素晴らしい話を描かれる星空降臨の梅さんから、素晴らしい絵を頂きました。いやはや……ありがとうございます!

思わずマジで感涙してしまったのは内緒の話。