見本誌図書館問題雑感

さてはて、世間ではコミケの見本誌図書館問題で静かな騒動となりつつあるらしい。私はむしろ、さういふ理想があって良いし、むしろやっとさういふ事が実現に向けて動き出せたかと感慨深い気持ちなのだが、矢張り捉へ方は人それぞれであらう。酔ってるので以下今の感想を簡単に。



私に言はせれば、そもそも同人を行ふ上で「拒否」といふのは禁忌だといふ思ひがある。こんな○○は嫌だと思ふのであれば、俺が理想の○○を作ってやると動くべきであり、それこそがひとつの同人の原点でもあると思ふ。
しかし、この「拒否の禁忌」は、嫌悪についてお互い不干渉であるといふ前提で初めて成立しうる。嫌だと思っても相手にどうかう言はないのが同人のマナーであり、女性界隈のカプ抗争や東方の新参・ニコ厨・音屋・グッズ屋叩きが問題視されるのはその為である*1
とすれば、コミケ準備会が「ごあいさつ」にて提示した話は、この「不干渉」を同人誌を発行していることの意味・責任大義の下に踏み越えるものであったのではないか。私はさう感じなかったが、さう感じる者が少なからず居たのではないか。
ゆゑに現実的な落としどころとしては、他のイベントのサークルリストと同じく、申請書に「図書館等、同人界の発展に寄与する為の利用を認める」といった欄のチェックを求めるやうにするしかないのだらうなと思ふ。

故米澤氏はそんな現状を嘆かれるだらうか。紫なら、きっと幻想郷は全てを受け入れるのよ。それはそれは残酷な話ですわなんて言ってのけながら、さり気なく自分の思惑通りになるやう水面下で動き出すだらう。実のところはそんな期待を、私は抱いてゐる。

*1:勿論、猥褻本などの違法なものや運営に明らかに支障となるものを排除するのは、同人の存続に関はることだから例外である。