無題

夏場に退治し損ねた幼蟲が今頃になつて蝶に。
最う何日も茲で凝としてゐる。寒くて動けないらしい。刺戟すると羽を開くが飛立たない。撮影したのは朝。夕方、暗くなつて歸宅した時にも、同じ場所にとまつてゐた。

飛行筋といふのは、冷えると動かなくなるといふ性質があります。寒くなると飛ぶ虫が急に減るのはそのためです。特に蝶は体積が小さい上に翅のサイズが大きいので、気温の影響をモロに受けます。蜂の様に小さい翅を細かく動かして自家発熱といふ芸も出来ません*1

明日は関東も晴れ間が広まりさうなので、これが最後の機会でせう。上手く飛び立てると良いのですが。

*1:蛾は夜間に活動する関係上、翅をこすり合はせるといふ方法を編み出したさうです。止まったときに翅が閉じるのはそのためかも? 蝶が止まったときに翅を広げるのは、より太陽熱を広い範囲で受けるためらしいので。