美味い話など存在しない

「80歳まで誰でも加入出来、料金も安いのに保証は手厚いですよ」と謳ふ某保険だが、実態は「医療保険」ではなく「損害保険」であり、安いのは当たり前である、と言ふ話。

筆者に言はせれば、別に裏とか真実とかを疑るよりも、そもそも「利益を上げる手段がどうやっても考へつかない」ものは全て違法手段に手を染めてゐるとみるべきである*1 この場合であれば、景品表示法第四条(不当な表示の禁止)違反が考へられる。

事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号に掲げる表示をしてはならない。

  1. 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示

とは言へ、筆者は当該保険の資料の精査したことがない*2ので、ひょっとしたら資料には大きく「これは医療保険ではありません」と記載されてゐるのかも知れない。

もちろん、どちらにしろCMでああも錯誤を引き起こしかねないやり方は正道とは言ひ難いが、しかし、TV局側が事前にそれを指摘し、放送を自粛するとも思へない。何故なら、TVが本当に社会正義・中立公正であれば「どうやって利益を上げるのか見当も付かない」からである。

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*1:中には一家秘伝の方法で成し遂げてゐる場合もあるかも知れないし、米国から見たかつての日本などよくダンピングだと言はれてゐたのだから、一概には言へないかも知れないが、それでもやはり限度はあるし、株式会社であればさういふものは大抵嬉々として宣伝されてゐるものである。

*2:今のところ、県民共済のみで事足りてゐる。