二度寝はひとつの娯楽である

平日の場合、朝の二度寝以上に楽しいことなど早々滅多にない。二度寝以上に楽しいことは会社から帰ってきてやうやく始まる。二度寝は体力回復の為に行ふのではない。心の逃避行為と言って良い。逃避を求める現実にこそ問題があるのだが、それが解決するくらゐなら二度寝に逃げなどしないのだ*1

休日の場合、二度寝はひとつの趣味である。まどろみの中での夢の鑑賞はなかなか楽しいものがある。少なくともTVを漫然と観るよりずっと面白い。全くコストがかからずCO2排出量も最低といふ素晴らしい娯楽である。ただ、昼まで寝てしまった場合、気怠さが残るのが問題。睡眠不足の対処もさうだが、睡眠過剰の対処も研究されるべきだと思ふ*2

逆に、寝る前の思案も睡眠行為よりずっと楽しい。ネタを考へるのも良いし、プログラムの処理方法を考へたり、仕事の手順を考へるのも良い。眠くて「こんなの詰らない」といふ自己突っ込み能力が低下してゐるため、素晴らしいアイデアが次々浮かんでくるやうな錯覚を味はふことができる。その分、メモを翌朝見なほした時のガッカリ感はあまりにも哀しく、ただ睡眠時間が削られたといふ現実だけが横たはるのである*3

*1:幸ひ、私の場合そこまで現実が辛くないため大抵10分ほどで起きられるが

*2:この場合、さっさと起きろ、は解決策にならない。何せ二度寝は病的に私を誘ふのだから

*3:ごく稀に本当に良いアイデアが浮かぶこともある。もっと言ふなら、確率的にも寝床の方が良いアイデアが浮かびやすい。S/Nは落ちるがその分玉も出やすくなるといふ単純な話