考へるといふこと

思考と言論から逃げない人は必死で真摯でカッコ良い - アリゾナではもう働きたくない社長の blog - キッスブログ (Xiss Blog)

そうこうしていると、どこから嗅ぎつけたかネットワークの向こうにいる顔も名前も知らない人たちから度々私のブログに言及された。時には痛いところを突かれカーッとなり、どうにか反撃しようと、高校の授業はそこそこにあーでもないこーでもないと頭を捻っては新たなエントリを加え、翌日そこに前回を上回る濃い返信エントリがきて、四六時中悩んではまた返信して……ということを日常的にしていた。本気で考え、調べ、試し、必死に文を書き続けた。

当時の私にはこれが非常に有意義で楽しかった。興味のあることに関して自発的に一生懸命考えること、そして生まれたアイデアを他人からのフィードバックを素に発展すること、それを他人と協力・競争しながら行うこと。これらは、魂の抜けたようなクラスメイトと一緒に既にある程度固まったアイデアを一方的に授けられるだけの高校教育より何倍も私の学力・行動力・競争力の向上に役立ったと思う。

その頃に言論の相手であった「他人」とは時間を共有しているうちにいつしか「ただの他人」ではなくなり、多くとは今でもオンオフ混在の親交がある。パブリックなブログの場では第三者が一見すると「こいつら互いに一体どんな恨みがあるんだ」と思えんばかりに意見をぶつけ合っていた一方、ただダラダラと日常を送るだけの同級生とよりも濃い人間関係を構築していたと思える。私にとってネット上の彼らはそれぞれ賢く、好奇心旺盛で、行動力があり魅力的な人間だった

読んでゐてとても共感出来た*1 似たやうな出来事を辿ってきたからだらうか。彼に出会へたことは、久樹の人生にとってとても大きな意味を持ち、そしてプラスになったと思ふ。それはとても有難い話。

……でも、最近は心が折れることも多くなったな。さっきの話なんて書いてゐて何度消さうと思ったことか。

もう少し物事を突き放して俯瞰出来るやうになりたいし、某氏や某氏や某氏のやうに自分で「これだ!」と思へる論理を簡潔かつ精巧な文章で導き出し、あはよくば世界が少しだけ良い方向に進んでくれれば幸甚である*2 そのためには、まだまだ私の思慮も努力も足りてゐないんだらうな、と思ふ。


ちなみに、自分が何か行動を起こすときに、いつも胸に留めてゐる言葉ある。

そんなことして、あなたは誰をどんなふうに喜ばせられるの?*3

この問ひかけに応へられない時は、行動を起こすのを止めることにしてゐる*4

*1:残念ながら、私はここまでの向上心を持ち合はせてこられなかったが。

*2:まあ、「目標」は崇高に。

*3:異説封神演技 太公 望より。

*4:多分、先の話にここまで噛み付いたのは、この言葉が胸をよぎったからなんだらうと思ふ。